前回のインフルエンザワクチンと関連して今回は肺炎球菌ワクチンのお話(成人領域のお話)

肺炎球菌ワクチンとは?→市中肺炎、慢性呼吸器感染症、中耳炎、副鼻腔炎、肺血症、髄膜炎などの原因菌となる肺炎球菌という細菌感染症に対するワクチン(名前に肺炎の文字が入るが、肺炎以外の感染症の原因でもあり、一方肺炎の原因菌は他にも多岐にわたります)です。

1998年に日本導入、2009年10月に再接種可能となり、2014年10月より定期接種対象になりました(テレビCM、行政からの接種案内などあります)。

肺炎は日本人死亡原因の第3位であり、増加原因としては高齢人口増加、医療高度化に伴う易感染性などが考えられます。肺炎球菌は市中肺炎・院内肺炎の原因菌として最も重要な菌のひとつです。肺炎球菌ワクチンは肺炎予防(発症・重症化予防)に対して一定の効果が得られることは明らかです。しかしながら、日本では65歳以上の接種率が30%足らずとされています(今は定期接種となり摂取率改善しつつあるでしょうが)。ちなみに長崎県は特に低いようです・・・。

先に述べたように肺炎の原因菌は他にも多数あり、感染予防対策(うがいや手洗い、マスクなど)や基礎疾患の管理など、肺炎予防対策はワクチンのみではないですが、これらに注意し、かつ、予防接種行うことが、思いもよらぬ重篤な病態を回避することにつながるかもしれません。みなさんもまずは肺炎球菌ワクチンの存在を認識していただき、必要な時にワクチン接種を行うよう考えてみてはいかがでしょうか?初回をいつ行うのか?再接種の適応があるのかなど疑問点もでるでしょうから、いつでも当院へ相談いただければ幸いです。